神谷 晃史 衣浦職員密着24時！

プロフィール

神谷　晃史（かみや　あきふみ）

刈谷消防署　救助2係　消防士

採用年度：平成24年度

災害や事故の現場で救助活動を行うのが任務

私が所属する救助係は、交通事故や火災、水難事故などの現場で救助活動を行うのが任務です。仕事中に人が機械に挟まれたり、車や家の中に閉じ込められたりと、身の周りのさまざまな事故にも対応します。より安全、確実、迅速に救助を行うため、日々訓練を行うほか、救助計画の策定、救助資料の収集、救助技術の研究や開発などに取り組んでいます。

訓練では、あらゆるケースに対応できるよう、現場での指揮統制、安全管理、救助プラン、消防隊・救急隊との連携などを細かく想定して行います。以前、交通事故の現場で車がひっくり返っている状態で、車内に救助を求める人がいたのですが、車両を破壊し、中にいる人を出して救急隊に引き継ぐまでの任務を、想定通りにスムーズに行えたことがあります。そういうとき、普段の訓練の成果を実感しますね。

一方、現場では状況が二転三転し、当初定めたプランではうまくいかないこともあります。そんなとき重要なのは、隊員同士の連携です。「あいつがこうしているから、自分はこうしよう」と考え、バックアップのプランを円滑に進められるよう、協調性を高めることを意識しながらともに日々を過ごしています。

憧れの仕事に就いて知った厳しい現場

消防士に興味を持ったのは、幼稚園児の頃からです。消防署見学に行ったのですが、普段の生活では目にしないような、消防士さんのキビキビとした動きがかっこいいなあと思ったんですよね。小学生のときには親と一緒に管内の5市の消防署を自転車で回って消防車を見せてもらったり、実際に乗せてもらったりもしました。高校の3年間は趣味としてジムに通ってトレーニングをし、体力も人並み以上につけました。

消防士はまさに憧れの仕事だったのですが、じつは消防学校の入校初日に思ったのは、「ここは本当に日本なんだろうか」。教官と呼ばれる指導者の方々が「桃太郎」に出てくる鬼のような風貌で、ここは鬼ヶ島かと思いました（笑）。訓練は、体力的にもきつかったですが、精神を鍛える厳しさを思い知らされました。現場の厳しさも教えられるのですが、「こんなに厳しいことが現実にあるわけがない」と思うほどでしたね。教官は現場を経験しているからよく分かっているのですが、高校や大学を卒業したばかりの職員には理解できないんです。私は実際に現場に出て、「あのくらいやらなければ消防士は務まらない」と実感しました。今でも、教官がいつも言っていた「辛い、疲れた、もうだめだでは人の命は救えない」という言葉を思い出します。

折れない精神をもって訓練を続けたい

私が自信を持っているのは、何事にも折れない精神です。これまで怖いものなしで、火の中でも事故の現場でも飛び込んできました。今は、自分が昔憧れた消防士さんはその裏で辛い訓練をして毎日がんばっていたんだなと噛みしめています（笑）。支えは、24時間勤務で寝食をともにする、第二の家族のような職員同士のつながりや、昨年結婚をしてできた新たな家族の存在。子どもももうすぐ産まれるんです。これからも、助けを求める人のもとに駆け付け、市民の皆さんに安心安全を届ける、そんな存在でいられるように日々訓練をしていきたいと思っています。

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