牧野 美穂 衣浦職員密着24時！

プロフィール

牧野　美穂（まきの　みほ）

刈谷消防署　警防係　消防士

令和3年度現在

大学での「救急救命士の資格も取れる」がスタートに

一般的に消防関係の職業に就く方は幼少期や学生時代に憧れを抱いていた方が多いと思うのですが、私は全く違いました。大学でスポーツ医療を専攻して、高齢者に運動を指導する健康運動指導士を目指していました。たまたま2年生の時に友人と話をしていて、「救急救命士（以下、救命士）になりたい」と言うのを聞いたのです。しかし、当時私は「救命士って何！？」という感じで、その存在すら知りませんでした。そこで、救命士の仕事内容と必要な履修科目を調べてみたところ、救命士の資格を取得したら大学卒業単位もある程度取得できることが分かったんです。「それなら救命士の資格も取っておこう」という、軽い気持ちが私の救命士人生のスタートでした。

しかし、勉強をしていく中で、人の命を救う救命士の仕事への関心がどんどん深まり、就職を前に「救急救命士になりたい！」と心から思うようになりました。救命士の資格を活かす職業は主に2つあることを知りました。一つは病院内救急救命士、もう一つが消防士でした。病院内救命士は特定行為（医師の指示のもと行える医療行為）ができないことがわかり、「資格を最大限に活かしたい」と考え、消防士を志願することとしました。

訓練や現場は厳しい。でも、「やり甲斐しかない」

この仕事は、大変厳しい仕事です。幼少期から大学まで第一線でスポーツをやってきた私でさえ、常に身体を使い、重い機材を扱い、24時間勤務の消防の世界は、当初、体力的な厳しさを感じました。しかし、どの現場でも本当に困り不安を抱えていらっしゃる市民の皆様がいます。そうした方々から「本当に助かりました。ありがとうございました」などお声をいただく時には、やり甲斐で身も心もいっぱいになります。先日対応した救急事案では「女性の救命士さんの対応が優しくて安心できました」と市民の方がわざわざ来署くださいました。

消防士をめざす方へのアドバイスとして、本格的にスポーツはしないまでも、普段から身体を動かして体力を強化しておくことは大切です。でも、女性で体力に自信がないからとの理由で、やり甲斐がある消防の仕事に就くことを諦めないでほしいです。消防の仕事には庶務等、日勤の事務作業もあります。消防の仕事の鍵はチームワークです。だから、様々な職種に目を向けていただければと思います。

オン・オフを大切にさらにスキルアップを目指す

私は、小学3年生から大学まで卓球をしてきました。高校も大学もスポーツ推薦での入学で、ずっと第一線で選手生活を送ってきました。今でも、小・中学校時代にお世話になっていたクラブチームへ通って、子どもたちへの指導を行っています。今の休みの日の楽しみは、もっぱら食べ歩きです。食べることが本当に好きで、特に今は、スペイン料理のパエリアにはまっています。厳しい仕事だからこそ、オンオフの切り替えは大変大切ですから、オフの時間も大事に過ごしています。

私は、大学で救命士の資格を習得しましたが、入署からこの3年間を振り返って思うのは「本当のスキルを身につけるためには、現場での経験を積み重ねるしかない」ということです。特に、消防の現場では、消火活動だけでなく、救命・救助等、様々な役割もこなさねばいけません。こうした現場で対応できるようになるためにも、常に事案の振り返りを行いながらスキルを磨きたいと思います。また、来年度には女性の新入職員が入署する予定です。まだまだ女性職員が少ない中、お手本となれる存在として成長したいです。

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